- 2009年7月6日(月)
- ヨシザキのつぶやき
ここ数年NHKの番組づくり感服しているファシリテーター吉崎です。
中でも最近のお気に入りは「仕事学のすすめ」、「日曜美術館」、「ETV特集」であります。
7月5日夜のETV特集は「弁慶の復活 中村富十郎父子 勧進帳に挑む」とタイトルされた力作でした。
詳しい内容は NHKのHP内にあるものをご参照ください。 こちらへ
勧進帳と言えば「歌舞伎十八番」のひとつで、能の演目『安宅』がもとになっていることはご存知の方も多いでしょう。
ファシリテーター吉崎は「勧進帳」と言われても、「勧進帳読み上げ」や「山伏問答」、「飛び六方」など超有名な見所しかイメージできず、ストーリーとその背景にある義の精神については黒澤明監督作品「虎の尾を踏む男達」を見るまで理解していませんでした。
ドキュメンタリーで紹介された公演では、富十郎さん扮する「弁慶」に対し、当代きっての人気役者・中村吉右衛門さん扮する「富樫」、そして富十郎さんの69歳で授かった愛息・鷹之資くんの「義経」。歌舞伎ファンにとっては痺れるようなキャスティングです。
この夢の様な舞台が行われるのは、富十郎さんがその役者人生の全てを捧げ、芸の腕を65年に渡り磨き続けた、愛すべき場所、東京・歌舞伎座。弁慶の舞は来春に建て替えが決まった歌舞伎座に、そして伝統を今に伝えた先人達に捧げる 富十郎さん 一世一代の舞でもある。(NHK ETV特集のHPより一部引用しました)
79歳まで第一線の歌舞伎役者として活躍できた先輩先達に対する富十郎さんの感謝の心。
そして富十郎さんから息子鷹之資くんへの芸と思いのバトンタッチ。
そして、取り壊しとなる「歌舞伎座」という伝統の象徴と重なって、その熱き役者魂に泣けてしまいました。
最後に富十郎さんが今回の公演を振り返って番組の中でおっしゃった言葉をご紹介いたします。
「山頂に また山あり」
富十郎さんの目標は、鷹之資くんを立派な歌舞伎役者に育て、成人の折に六代目を襲名させることであり。その決意みたいなものをあの言葉から感じました。そして最後に豪快に笑われたことがものすごく印象的です。達観したあの笑顔が忘れられません。
私自身、79歳の時に、次の10年を見据えながら人生を豪快に笑い飛ばせるよう精進していきたいと思いました。
「天王寺屋 日本一!」
富十郎さんに、ありがとうございます。
歌舞伎座公式ウエッブサイト 歌舞伎美人(かぶきびと)内
今回の公演に関するレポートはこちらから