- 2013年7月23日(火)
- ヨシザキのつぶやき

専門家グループでの学びを考察グループで共有する参加者
偶然目にした新聞の告知欄。「ワークショップ」という文字が目に留まり、ダメもとで出したメール。対象外の私を快く迎えて下さった主催者のご好意。そんな偶然が重なり、今春ファシリテーター吉崎はある教育手法に出会うことができました。
そのワークショップのテーマは「協同学習(cooperative learning)」(主催者/大場浩正先生・上越教育大学)。たった2時間でしたが、ファシリテーター吉崎にとっては、鳥肌が立つくらい重要な学びを受け取ることができました。
協同学習について、Johnson,Johnson,&Holubec(1993)は次のように定義しています。
「協同学習とは、小集団(small group)を活用した教育方法であり、そこでは生徒達が一緒に取組むことによって自分の学習と互いの学習を最大限に高めようとするものである。しかし、ただグループに分けて学習させるだけでは、協同学習とは言わない。学習者を小集団に分け、その集団内の互恵的な相互依存関係を基に、協同的な学習活動を生起させる技法が協同学習である。」
「ただグループに分けて学習させるだけでは、協同学習とは言わない…」。
ファシリテーターとして関わる現場や講師となるセミナーでは、必ずグループ学習(ペア、バズ、4人グループ他)を取り入れます。プログラムで活用するグループ形態や活動内容は、自身の経験と直感に頼るところが大きく、明確な定義があることすら知りませんでした。
大場先生のワークショップで教えていただいた「スペンサー・ケーガンの4つの指標」をご紹介します。…括弧内は吉崎が付け加えたもの
- Positive Interdependence 肯定的な相互依存ー互恵的な協力関係(がグループ内で構築されているか否か)
- Individual Accountability グループの目標に対する個人の責任(が明確になっているか否か)
- Equal Participation 参加の平等性(が担保されているか否か)
- Simultaneous Interaction 活動/相互交流の同時性(が担保されているか否か)
協同学習は様々なスタイル、潮流があり、中には授業者を縛る教授法もあるそうです。
しかし、ケーガン博士は上記の4つの指標に当てはまるものは、すべてOKと言い切ります。明確なグランドルールを提示し、それを準拠しているのであれば授業者は自由に技法(ストラクチャー)を組み合わせることができるという考え方です。
ファシリテーター吉崎は、話し合いを通じた課題解決や合意形成は「学びの場」でもあると信じています。教育現場で注目されている「協同学習」のエッセンスをどんどん取り入れ、グループワークをより質の高いものに変えていきたいと思いました。
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- 大野 2014年7月28日(月)
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質問です。
Johnson, D. W. and Johnson, R. T., Holubec, E. J. (1993) Circlr of learning (杉江修治ら訳, 1998, 学習の輪, 二瓶社)を読んでいるのですが、
協同学習についての定義付けである個所「協同学習とは、小集団(small group)を活用した教育方法であり、そこでは生徒達が一緒に取組むことによって自分の学習と互いの学習を最大限に高めようとするものである。しかし、ただグループに分けて学習させるだけでは、協同学習とは言わない。学習者を小集団に分け、その集団内の互恵的な相互依存関係を基に、協同的な学習活動を生起させる技法が協同学習である。」は、この本のどのあたりに書かれているのでしょうか。 - 大野 2014年7月28日(月)
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失礼しました。はじめの第1章に書いていましたね。
- ファシリテーター吉崎利生 2014年7月28日(月)
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大野様
見つかって良かったです。
ジョンソン&ジョンソンやケーガンに出会ってからは、プログラムデザインをする上でもひとつの基準ができました。今後とも「協同学習」を学び続けて行くつもりです。
但し、教育分野では、様々な「協同的な学習」活動や取り組みを「協同学習」と表記、呼称することが多いと感じています。私自身は残念なことだと思っています。