- 2011年11月3日(木)
- ヨシザキのつぶやき
「ウォールストリート街を占拠しろ!(Occupy Wall Street /略称OWS)」の名の下に、ニューヨークで始まったアメリカの反格差運動が、瞬く間に全米150都市以上に波及していったことは記憶に新しいことでしょう。
ファシリテーター吉崎としては、数十から数万人規模の運動を具現化するプロセス(特に合意形成)に非常に興味のあるところです。いろいろ調べてみるとそのミーティングスタイルはユニークで、古代ギリシャの直接民主主義の流れを感じさせるものでした。
今回の事態の前段階と言えるのは、夏の間、毎週土曜日に50人前後の活動家たちが、ニューヨーク市内の公園や記念碑などのある屋外で開いてきた「ジェネラル・アセンブリー」だ。これは、エジプト、スペイン、ギリシャなどの各地で実践されてきたそれがモデルで、あくまでも通常の「集会(ラリー)」とは違う。後者は運動の代表が演説し、聴衆はもっぱら聞き役だが、前者では2,3人の会議運営役をおき、参加者全員が考え、発言し諸々の事項を決定してゆく。加えて、さまざまな役割を担う委員会(法的サポート、食物供給、公衆衛生、防衛、情宣、メディア、直接行動、会議運営、芸術文化、その他)が、諸問題の解決と創造的活動に従事する。 高祖岩三郎(翻訳家/ニューヨーク在住)の論評(毎日新聞2011,10,21より吉崎が抜粋)
「ジェネラル・アッセンブリー(general assembly)」は国連総会や州議会、総会という意味があります。You Tubeで見た「Occupy Albany」のそれは、参加者が何重もの車座に陣取るコロシセアムスタイルで、話し手に同意/共感する意思表示として、両手(もしくは片手)を高く上げて手の甲を振る様子(手話の「拍手」を意味する動作と酷似)が印象的でした。
リーダーらしき人や各部会(ワーキンググループ)担当からの報告や提案に聞き入る参加者の様子、また活動家と思える人達は次々と自分の思いを語り、参加者がそれを唱和し共有する光景から運動への同意と共感性の強さを感じ取ることができました。
参加する一人ひとりがしっかりと「Talk / Listen / Think(話し、聴き、考える)」する姿は、まさに「ジェネラルアッセンブリー」です。そして自律性に富み、目的/目標に対して合意性/共感性が強いグループのミーティングは、すべての人がファシリタティブなマインドを持ちながら参加していることがわかりました。
多様な価値観をもった人が集い、関係性を強めながら共感性を高め、行動へと結びつけるOWSでの「ジェネラルアッセンブリー」というミーティングスタイルは 今後益々必要になると思われます。